安全でおいしい水を供給する上水処理システムや生活排水を浄化する下水処理システムなど、社会インフラの一つである上下水道の分野でも、当社は数々の水環境技術を応用した製品を提供しています。なかでも大活躍しているのが、塩素の代わりにオゾンで水を消毒するためのオゾン発生器「オゾナイザー」です。オゾンは放っておくと酸素に戻るため、水に塩素を注入する方法とは異なり、有害な有機塩素化合物を生成せず、残留性もなく、環境負荷も与えない、というメリットがあります。
「酸素原子3個から構成される気体「オゾン(O3)」は、塩素に勝る強力な殺菌力・酸化力を持ち、細菌・雑菌やカビに対して速効性のある消毒剤として使用できます。更に、臭いや着色の元となる物質を分解するので、脱臭・漂白の作用もあります。オゾンは通常、放電した空間に酸素を通して生成しますが、当社では放電方式に独自の改良を加えることにより、高濃度のオゾンを少ない電力で効率よく発生させる技術を確立。設備の省エネ・省スペース化も実現しています。
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オゾナイザーOS
1968年に「オゾナイザー」の国内販売を開始して以来、当社は約40年にわたり国内の上下水道分野を中心に1,700台以上を納入してきました。性能の高さと長年の運用実績で、全国の顧客(水道事業体)から高い信頼をいただいており、オゾン発生器分野では国内トップのシェア40%を獲得。また、世界トップクラスの性能を評価され、2006年には「21世紀発明賞」を受賞しました。
当社のオゾン技術はほかにも、水族館などで利用される「海水オゾン処理システム」、農業排水施設や下水処理場で使われる「乾式オゾン脱臭装置」、製薬・化学プラントの製造プロセス、食品分野での食材・容器の洗浄など幅広い分野で活躍中です。これからもオゾンによる高度な水処理の普及を世界各地で進め、安全性の高い水の供給、下水システムの整備などを通じて、国際的な水不足問題の解消を図り、人々の暮らしに貢献していきます。
「大阪の水道水」が劇的においしくなった [大阪府水道部(村野浄水場)様]
みとめライトが付いているスイッチの配線方法
村野浄水場様は、淀川から取水した水を大阪府全域の関係市町村に水道水として供給する全国でも最大級の浄水場です。1970年代に淀川の源である琵琶湖の富栄養化によってカビ臭が発生したことから、村野浄水場では高度浄水処理の取組を開始しました。高度浄水処理は、従来の浄水処理に、生物処理、オゾン処理、粒状活性炭処理を加えることにより、従来の処理では取り除きにくかったカビ臭などの除去能力を大幅に改善するものです。
村野浄水場には、一般的な平面系浄水施設に加えて、用地を有効利用するために浄水施設を立体的に配置した、地上31メートル、地下15メートルのビル形式の階層浄水施設が2棟あります。最初にこの階層浄水施設にオゾン・粒状活性炭処理設備を導入することになりましたが、当社はうち1棟にオゾン処理施設を納入し、1994年から供用を開始しました。更に1998年には、従来方式である平面系浄水施設にも高度処理施設を導入。ここに当社が、単機容量としては国内最大級のオゾン処理設備を納入しました。この平面系高度処理施設の完成により、1998年7月から村野浄水場の全量が高度処理水として供給開始されました。それまで「塩素臭が強い」と言う声もあがっていた大阪の水が、「そのまま飲んでもおいしい」と府民から喜ばれ� ��います。
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村野浄水場様の浄水場全景
納入したオゾナイザー
オリンピック公園で使用する再生水の処理に、当社のオゾナイザーが貢献 [北京市様]
北京オリンピック開催を2年後に控えた2006年、北京市では下水処理方法の見直しが検討されていました。スタジアム周辺に建設されるオリンピック公園で再生水の使用が計画されていたのに対し、それまで採用していた水処理技術では、十分な水質の再生水を得られていなかったためです。そこで当社は、オゾナイザーによって脱色・脱臭効果が得られることを提案。2008年5月に市内の清河下水処理場に納入しました。オリンピックの開催期間中、清河下水処理場で浄化された水がオリンピック公園の人口湖などに使用され、好評を得ました。
オリンピック閉幕後も、北京市では水環境の改善に向けた「下水再利用プロジェクト」に取り組んでいます。このプロジェクトは2011年までに市内のすべての下水(1日当たり285万トン)をオゾナイザーで浄化できるようにするというもので、再生水は工業・農業用水に再利用するだけでなく、河川に放流することで北京市生活環境を改善する想定です。その最初の取組として清河下水処理場の拡張工事が行われており、追加で6基のオゾナイザーを納入しました。
清河下水処理場と納入したオゾナイザー
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